starwish’s diary

銚子電鉄車庫で台車をみる

正月休みに銚子まで大人の遠足に出かけてきた。銚子電鉄仲ノ町車庫が150円で見学可とのことなので、普段見ることのできない床下機器、特に台車の姿を拝ませていただいた。

  • 台車その1

台車だけ放置されていたのでどんな車体を載せていたかはわからない。軸箱を連結した長い梁の上に軸ばね経由で台車枠を載せている、いわゆるイコライザー形式。通常軸ばねの間から、車体を載せる枕ばねが顔を出しているはずだが、取り外されている感じ。

台車その1
  • 台車その2
台車その2

デハ1000形、元営団2000形が履いていた台車。上の台車では軸箱を長い梁で連結していたが、梁の重さが車輪に直に伝わって軌道を痛めるという欠点をなくすため、こちらは軸箱を個別に軸ばねで支持して台車を載せている。軸箱と台車の間は軸箱支持装置でつながれていて、これが牽引力を台車に伝えている。
真ん中の大きなコイルバネが枕ばねで、これが車体の重量を支えている。走行に伴う振動によって車体は左右に揺れるが、ばねは横向きの力には弱いので、枕ばねの下にある、線路と直角方向にある梁(枕梁)が車体とともに弧を描くように揺れるようにしておき、枕ばねに横向きの力が加わらないようにしてある。この方式を揺れまくらという。揺れまくらにかかっている車体重量は、枕ばねの左右にある吊りリンクを介して台車にぶら下げる構造となっている。台車に車体重量がぶら下がっている構造上の特徴を表現して、この構造はスウィングハンガーと呼ばれる。

  • 台車その3
台車その3

デハ3000形、元京王5000形が履いている台車。上二つに比べてぐっと構造がシンプルになっている。車体が枕梁に乗り、枕梁は枕ばねを介して台車に載っている、いわゆるインダイレクト形式である。枕ばねが空気ばねに変わったことで、ある程度左右の力も吸収できるようになったので、揺れまくらが省略されているのが特徴。ただ空気ばねでは牽引力までは伝えきれないので、台車と枕梁の間をボルスタアンカーと呼ばれる装置でつないで、その役目を果たさせている。
台車自体は鉄道車両が静保存されている公園などでも間近に見ることができるが、このように様々な形式の台車を一度に見ることができて、かつしげしげ眺めていても不審者扱いされず、同好の士もいたりするこの施設は、鉄道ファンにはたまらない施設だと思う。

3000形